サイドFIREは、資産運用からの収入と副業などの労働収入を組み合わせるセミリタイアのことで、FIREの中でも特におすすめの選択肢です。
その理由として、サイドFIREはフルFIREに比べて達成のハードルが低く、資産暴落時の影響も小さいため安心して取り組める点が挙げられます。
また、適度に働き続けることで社会と関わりを保ち、他者への貢献や自己実現を通じて充実した生活を送りやすくなります。
この記事では、私がサイドFIREをオススメする理由やサイドFIREと似ているバリスタFIREとの違いについて解説します。
なお、この記事ではサイドFIRE後の労働も副業と表記します(厳密には本業ですが、ややこしいので)。
サイドFIREとは?バリスタFIREとの違いについて
サイドFIREとバリスタFIREの違いは、働き方や収入の得方にあります。
サイドFIREは、投資収益で生活費をある程度まかないながら、自分の好きな仕事や副業で収入を得るスタイルです。
このため、フリーランスや事業主など、自分で収入をコントロールしやすく、仕事量や働く場所も自由に選びやすいことが特徴です。
一方、バリスタFIREはパートタイムの仕事を組み合わせるスタイルで、投資収益に加えて安定収入も得られるため、より生活の安定が見込まれます。
バリスタFIREは、健康保険などの社会保障を維持しつつ、フルタイムの勤務よりも自由な時間を確保したい人に向いています。
どちらもFIREの一種ですが、生活の自由度を優先するならサイドFIRE、安定性を重視するならバリスタFIREがおすすめです。
私がサイドFIREをおすすめする理由
私がサイドFIREをオススメする理由は、5つあります。
FIREの実現ハードルが低い
サイドFIREはフルFIREに比べて、実現のハードルが低いです。
フルFIREの場合、月30万円の生活費、資産の年率が5%で7200万円の資産が必要になります。
対して、サイドFIREはどうでしょうか。
表は、月5万円の副業収入がある想定です。
月30万の生活費、資産の年率5%で、必要な資産額は6000万円となりました。
月5万円の副業収入があるとフルFIREと比べて、必要な資産額が1200万円も少なくなります。
なお、月10万円の副業収入があれば、同じ条件で必要資産額は4800万円です。
副業収入と資産収入を組み合わせることで、必要資産額が減りFIREの実現がグッと近いものになります。
暴落時のダメージが小さい
フルFIREでは、生活のすべてを資産収入からまかないます。
上はS&P500の例ですが、インデックス投資のように広く分散していたとしても、株式市場が暴落すれば資産がおよそ半分になることもあります。
では、実際に暴落が起きたときどうなるのか。
仮にS&P500に6000万円投資していて、年4%の取り崩しで生活費をまかなう場合を考えます。
暴落前:6000万×4%=240万円(年間)
暴落後:3000万×4%=120万円(年間)
(下落率50%、税金なしとする)
このようにフルFIREであれば、資産からの収入も減ってしまいます。
このため、現金を多めに持っておくなどの対策が必要になるでしょう。
サイドFIREであれば、暴落時は副業に力を入れることで、資産の取り崩し額を減らすことができます。
こうした暴落時に、柔軟な対応ができることがサイドFIREの強みです。
人との関わりをもつ(社会性)
人間は社会的な生き物で、古くから集団で生活してきました。
それは現代でも変わらず、人は1人で生きていくことができません。
例えば、マクドナルドに売ってるハンバーガーでさえも、マクドナルドで働いている人、ハンバーガーの材料(牛肉、パンなど)を作る人、材料をマクドナルドまで配達する人など多くの人のおかげで、おいしく食べることができます。
そういったところから、私は人とのつながりを意識し、FIRE後も積極的に人と関わっていきたいと考えています(もちろん1人の時間も大好きです)。
仕事を辞めると会社とのつながりは薄れます。
なので、FIRE後も新しく誰かと関わり、社会的なつながりを築いていくことが大切です。
ちなみに、人は社会資本(誰かとのつながり)があると、幸せになれるとの研究もあります。
詳しくは、「幸福の資本論/橘 玲」を読んでみてください。
他者貢献することで幸福度が高くなる
人は誰かの役に立つことで、幸福を感じます。
これは社会的欲求とよばれる、人の欲求の1つです。
先ほどの社会との関わりをもつことも社会的欲求を満たすことに繋がります。
人の欲求をまとめたものとして、マズローの欲求五段階説が有名ですね。
マズローの欲求五段階説では、人の基本的な欲求が5つの階層に分けられています。
人はピラミッドの土台となる部分の欲求を満たすことを目指し、ある程度満たされると上の欲求を満たしたくなる性質があるとのいわれています。
FIREするということは一定額のお金があることから、生理的の欲求や安全の欲求を満たされている状態です。
次の段階として社会的欲求や承認欲求を満たすために、社会とのつながりや他社貢献したくなるということは、自然な流れかもしれません。
やりたいことに挑戦できる
FIREすれば、今までよりも自由な時間を確保できるようになり、気兼ねなくやりたいことに挑戦できます。
また、生活のためではなく、純粋に興味のある仕事に挑戦することもできます。
私の場合ですと、農業や不動産のリフォームなどをやってみたいです。
「興味はあったけど、給料が低くて…」という仕事でも、サイドFIREした後ならそれほど問題ではありません。
報酬を考えずにやりたい仕事に熱中できることも、サイドFIREの魅力の1つです。
多くの人がFIRE後に働いている
さまざまなFIREに関する本を読んで思ったことが、ほとんどの人がFIRE後も働いているということです。
「多くの人がそうしてるから」という理由だけでなく、ここでもマズローの欲求五段階説が関係していると思います。
FIREするということは、食べることや住むところに困っていることはないでしょう。
つまり、生理的欲求とと安全の欲求は満たされているということになります。
より上の社会的欲求や承認欲求、自己実現欲求を満たすために、働くということは自然な流れなのかもしれません。
私が目指しているのはサイドFIREですが、資産が増えフルFIREした後も働き続けようと考えています。
まとめ
FIREは「ファットFIRE」、「リーンFIRE」、「バリスタFIRE」、「サイドFIRE」、「コーストFIRE」という5つに分かれています。
そのなかでもおすすめは、サイドFIREです。
サイドFIREは、時間の制約が少なく個人事業主として働くFIREのことをいいます。
違いは、労働収入のために雇われるかどうか。
労働収入と資産運用からの収入を組み合わせる点は同じです。
また、私がサイドFIREをおすすめする理由として以下の6つを紹介しました。
- FIREの実現ハードルが低い
- 暴落時のダメージが小さい
- 人との関わりをもつ(社会性)
- 他社貢献することで幸福度が高くなる
- やりたいことに挑戦できる
- 多くの人がFIRE後に働いている
「フルFIREを目指しているけど、道のりが険しい…」
そんな人にこそ、サイドFIREを検討して欲しいです。