- FIREしたいけど、いまいちイメージがわかない人
- 公務員でFIREしたいと思っている人
公務員でもFIREは実現できます。
この記事では、公務員の私が実践している「FIRE ロードマップ」を紹介します。
FIREロードマップは再現性にこだわり、ゼロからFIRE達成までをイメージできるように作りました。
「理由」、「ゴールの設定」、「支出の最適化」、「生活防衛資金」、「資産運用」、「資産比率」の6つのステップに分けて解説しています。
大切なのは、「支出を最適化し、資産運用を続けること」です。
公務員にとってFIREを目指すことは、長距離マラソンのようなもの。
最後まで走り抜けるための方法を解説していきます。
FIREしたい理由を考えよう
あなたはどうしてFIREしたいですか?
そう聞かれたとき、どう答えますか。
- 今の仕事をずっと続けたくない……。
- 将来のお金の不安をなくしたい……。
- 一度きりの人生、やりたいことをしたい。
理由はなんでもいいです。
「私は断固として働きたくないんやっ‼」
というような理由でもOK。
FIREしたいという想いを強くもってください。
複数の理由があってもいいでしょう。
ちなみに私がFIREを目指す理由は、下記のとおり。
- 今の仕事を続けることに違和感があった。
- 他にもやりたいことがあって挑戦し続ける人生にしたかった
- 子供に嫌々仕事をしているところを見せたくない
詳しくは、コチラで語っています。
「どうしてFIREしたいのか?」その理由が一番大切です
FIREをしたい理由は、FIREを達成するための原動力になります。
その想いが強いほど、FIREを達成できる可能性が高まります。
スピリチュアル的な話ではないですよ。
多くの公務員や会社員にとってFIREは、中長期で考えるのが現実的だからです。
投資手段にもよりますが、10年~20年ほど支出の最適化と資産運用を続けることが必要でしょう。
長い期間を目標に向かって走るためには、やはり原動力が大切なのです。
FIREの達成条件を考えよう(ゴールの設定)
どのような状態になればFIREを達成したといえるのでしょうか?
一般的には、1年の支出額の25倍の資産を用意できればFIRE達成とされています。
私の「FIREロードマップ」でも同じ考え方です。
月の支出 | 年間の支出 | 必要な資産額(税金なし) | 必要な資産額(税金あり) |
---|---|---|---|
10万円 | 120万円 | 3,000万円 | 約3,765万円 |
15万円 | 180万円 | 4,500万円 | 約5,647万円 |
20万円 | 240万円 | 6,000万円 | 約7,530万円 |
25万円 | 300万円 | 7,500万円 | 約9,412万円 |
30万円 | 360万円 | 9,000万円 | 約1億1,294万円 |
この表をみて「無理やん……。」と思った方は、ちょっと待ってください。
これはフルFIREという働かずに、資産からの取り崩しを前提とした額です。
ゆるく働きながら資産を取り崩す、サイドFIREならより少ない額でも大丈夫。
FIREにもいろいろ種類があります。
他にも「支出の最適化」をいう考え方を知ってから、必要な額を計算しても遅くはありません。
いつまでにFIREを達成したい?
いつまでにFIREを達成したいかを決めましょう。
- 自分のライフプラン
- 人生でやりたいことの時間的な制限はないか
- 今の仕事をどれくらい続けることができるか
「あと10年くらいでFIREしたいかなー……」とざっくりでも構いません。
FIRE達成までの期間によって、
- 毎月どれほど投資にまわす必要があるのか
- 月の支出はどれほどに抑えればよいのか
などやFIREの実現が現実的なものかどうかわかります。
それを知ってから、「いつFIREしたいか」を考えてもいいでしょう。
とはいえ、今の仕事を辞めるつもりがない人は、FIREの達成時期を決めてなくてもよいと思います。
FIREのRetire Early(早期退職)は必ずしも辞める必要はなく、「いつでも仕事を辞めれるで~」という状況になれば、達成していると考えているからです。
「Financial Independence, Retire Early」の略で「経済的自立と早期退職」を達成することを意味します。
注)この記事の「FIREロードマップ」は、10年~20年ほどで達成できるよう作っています。
会社をいますぐ辞めたくて仕方がない人は、コチラを参考にしてください。
あなたが目指すFIREの種類は?
FIREにはいくつか種類があり、大きくフルFIREとサイドFIREに分かれます。
フルFIRE
資産の取り崩しや配当金などで生活する方法
サイドFIRE
資産の取り崩しや配当金と労働収入を組み合わせて退職後の生活資金を確保する方法
先の表でも示したとおりフルFIREの場合、多くの資産が必要になります。
なので、サイドFIREを目指すというのも1つの選択肢です
なお、私はサイドFIREを達成した後、ゆるく働きつつフルFIREを目指すことをオススメします。
どうすればFIREを達成できる?
どうすればFIREを達成できるかみていきましょう。
そのために必要な情報はこちら。
- 月にいくらの収入が必要か
- フルFIREとサイドFIREのどちらを目指すか
- 今から何年後にFIREしたいか
- 資産をどれだけもっているか
- 月にいくら資産運用にまわせるか
この5つの情報をもとにこちらのサイトでシュミレーションすることができます。
こちらの記事では、いくつかのモデルを紹介しています。
支出を見直そう(支出の最適化)
公務員がFIREを目指すためには支出を見直し、最適化する必要があります。
ちなみに「支出の最適化」というワードは、FIREの先駆けとなった穂高唯希氏によって有名になりました。
「節約」ってケチくさいニュアンスがゼロではない気がするので、より前向きな「支出の最適化」というワードを提唱。セミリタイア・FIRE達成に必須です。
三菱サラリーマンが株式投資でセミリタイア目指してみた 穂高唯希
支出の最適化ってなに?
支出の最適化は、自分にとって無駄な支出をなくすことです。
ただし、自分の幸せにつながる支出はOK。
習慣的に買っているなど、よく考えると必要なかったものにお金を使うのをやめましょう。
家の中で1年間使っていないものは、あなたにとって必要のないことが多いです。
ただし、家族がいる場合は自分にとって必要なくとも、家族にとって必要がある場合があります。
無断で捨てるとトラブルのもとです。
捨てる前に相談するようにしてくださいね。
例えば、私は以下のものにお金を使わなくなりました。
- 仕事帰りに買っていた菓子パン
- ブランドの衣服や時計
- 旅行先でのホテルの朝食ビュッフェ
- 職場の慣習的な飲み会
- 自分が行きたくない人の結婚式
固定費の見直しは、効果が大きい
- 住居費
- 通信費
- 保険料
- 車の維持費
- 水道・光熱費
- サブスクリプション費用
- 教育費
固定費の見直しは、毎月かかるお金が目に見えて減り、効果を実感できます。
なので、優先的に着手していきましょう。
契約の変更など少し手間のかかるものが多いですが、費用対効果は高いです。
変動費の見直しは無理のない範囲で
- 食費
- 交際費
- 交通費
- 医療費
- 被服費
- 雑費
変動費の見直しも行っていきます。
注意点としては、あれもこれも切り詰めすぎると心が貧しくなっていまうこと。
自分の幸せにつながるものは残し、よく考えるといらなかったなぁというものを買わない。
これを徹底するようにしましょう。
例えば、私は以下のものにお金を使うようにしています。
- 休みの日の家族との食事
- 休みの日の家族とのイベント
- 友人との食事・飲み会
- 自分が祝いたいと思う人の結婚式
生活防衛資金を貯めよう
生活防衛資金とは自分に万が一のことがあった場合でも、当面暮らすことのできるよう備えておくお金のことです。
どれぐらいの金額が必要かは、人によります。
目安としては、月の支出の3ヶ月分~6ヶ月分でしょうか。
年間の支出÷12×3~6(ヶ月分)
計算式は、このようになります。
支出は月ごとにバラツキがあるので、1年の支出を12で割って月平均を計算します。
インデックス投資を始めよう
投資には、様々なものがあります。
その中でも公務員や会社員にオススメする投資は、インデックス投資です。
インデックス投資は、市場の値動きを示す指数に連動をめざす投資手法です。
市場の値動きを示す指数のことをインデックスいい、インデックス型投資信託などを購入することで投資できます。
なぜインデックス投資がいいのかというと、初心者でも手間がかからず、多くのプロよりも高いリターンを期待できるからです。
加えて、NISAという国の非課税制度もあります。
あとに紹介するインデックス型投資信託は、どれもNISAの対象商品です。
NISA(ニーサ)は、少額からの投資を行う方のために2014年1月にスタートした「少額投資非課税制度」です。
金融庁HPより
イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルにした日本版ISAとして、NISA(ニーサ・Nippon Individual Savings Account)という愛称がつけられました。
「手間がかからず、多くのプロよりも高いリターンなんて、そんな都合のいい話がある訳ない」と怪しまれたでしょうか。
もちろんですが、デメリットもあります。
インデックス投資は、長期投資が前提です。
つまり、短期間で資産が一気に増えるような投資手法ではありません。
- 手間がかからない
- 長期間の運用でプロより高いリターンが期待できる
- 短期的には、元本割れのリスクがある
- 少額で購入でき、さまざまな銘柄に広く分散できる
詳しく知りたい方は、コチラで解説しています。
インデックス投資の始めかた
インデックス投資をするためには、まず「証券会社」に口座を開く必要があります。
証券会社は、株や投資信託を買ったり売ったりするための窓口です。
インターネット証券会社(楽天証券やSBI証券など)が人気で、スマホやパソコンから簡単に取引できます。
どこにするか迷ったら楽天証券がおすすめです。
サイト画面が見やすい作りになっていて、初心者でもストレスなく取引できます。
証券会社を決めたら、そこに「口座」を作ります。
これは銀行口座と似たようなもので、お金を入れて投資を行うための場所です。
以下の手順で進めます。
- 証券会社のウェブサイトで口座開設の申し込みをする。
- 名前や住所など必要な情報を入力する。
- 本人確認書類(身分証明書やマイナンバー)の提出が必要。
- 数日後、口座が開設されてログイン情報が送られてくる。
口座ができたら、そこに投資用のお金をいれます。
自分の銀行口座から証券口座にお金を移すことができます。
最初は無理せず、少額から始めるのが良いです。
楽天証券は楽天銀行、SBI証券は住信SBIネット銀行と提携しています。
それぞれの証券口座に対応しているネット銀行を開設しておくと、
- 銀行口座から証券口座への資金移動がラク
- 銀行口座の金利があがる
などのメリットがあります。
次に、どの「インデックスファンド」を買うかを決めます。
インデックスファンドは、さまざまなインデックス(市場全体)に連動する投資信託です。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のどちらかを選べば問題ありません。
どちらか悩んで決められないという人は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)がオススメです。
手数料が安く、全世界の株式に幅広く分散投資できる投資信託です。
「オルカン」という愛称で親しまれています。
投資対象は、日本やアメリカ、ヨーロッパ、新興国など、世界中の約50か国の株式です。
国や株式の構成比率は、時価総額などによって定期的に組み替えられていきます。
「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」では、2019年から2023年まで5年連続で1位に選ばれました。
これも多くの人に支持される理由ですね。
■特徴まとめ
- 世界中の株式に投資できる低コストなファンド
- 世界経済に分散投資でき、リスクを抑えながら長期的な成長を目指せる
- 定期的に国や株式の組み換えがある
- 初心者でも始めやすく、特に積立投資におすすめ
手数料が安く、アメリカの代表的な株価指数であるS&P500に連動する投資信託です。
S&P500とは、アメリカの主要な500社の株価動向を反映した指数で、AppleやMicrosoftなど、アメリカを代表する大企業に投資できます。
アメリカは世界最大の経済大国で、世界の経済を長らく引っ張ってきました。
そんなアメリカの成長に投資できるだけあって、直近30年間の成績は、オルカンを上回ります。
今後もアメリカの成長を信じるなら、魅力的な選択肢です。
■特徴まとめ
- アメリカの主要な500社に投資できる低コストなファンド
- アメリカ経済の成長を狙った投資ができ、長期的に資産を増やしたい人に向け
- 定期的に株式の組み換えがある
- 長期的な視点で運用することでリスクを抑えやすい。
毎月、同じ商品を定額で購入できるよう定期積立を設定しましょう。
これはドルコスト平均法といい、とても理にかなった購入方法です。
それに定期積立を設定しておくと、自分で購入する手間も省けますしね。
- 毎月一定の金額を投資することで、価格の上下に影響されずに平均購入価格を抑えることができる
- リスク分散ができ感情に左右されにくい投資手法で、長期的な資産形成を考えている人に向いている
- 市場が上昇し続ける場合は大きな利益をのがす可能性があることや、長期投資が前提であることに注意が必要
詳しくはコチラの記事で解説しています。
インデックスファンドを購入すれば、後はずっとほったらかしにするだけです。
値動きをみる必要もありません。
むしろ値動きをみない方がうまくいく可能性があがります。
資産比率を決め、投資を続けよう
資産比率は、異なる資産クラス(株式、債券、不動産、現金など)に投資する割合を示すもので、リスク管理とリターン最大化のために重要です。
リスクが高い資産(株式など)はリターンが大きくなる可能性がありますが、価格が大きく変動するリスクもあります。
逆に、リスクが低い資産(債券や現金など)は安定していますが、リターンが低いことが一般的です。
基本的には、資産ごとに以下のような特徴があります。
種類 | リターンとリスクの関係 | 特徴 |
---|---|---|
株式 | 高リスク・高リターン | 株価の変動が大きい 長期的には成長が期待できる |
不動産 | ミドルリスク・ミドルリターン | 安定した家賃収入が得られやすい 新築・中古、戸建て、アパート等の様々な手法がある |
債券 | 低リスク・低リターン | 安定した利息収入 リスクを下げたいときに有効 |
現金 | 最も安全だが、リターンはほぼゼロ | 他の資産クラスの購入や市場の下落に備えるために持っておくことが多い |
資産比率はどうやって決める?
資産比率は、投資家のリスク許容度、投資期間、投資目標に応じて決めましょう。
- リスク許容度
-
簡単にいえば「どれだけの値動きに耐えることができるか」です。
リスク許容度は年齢や収入、経済状況によって異なります。
資産の比率によって、どう変わるのか例をみていきましょう。
例① インデックスファンドと現金の比率が9:1の場合- 総資産額が1,000万円
- 暴落が発生し、インデックスファンドの価格が50%下がった場合
暴落 インデックスファンド 現金 総資産額 前 900万円 100万円 1,000万円 後 450万円(-450万円) 100万円 550万円(-450万円) インデックスファンドと現金の比率 9:1 例② インデックスファンドと現金の比率が5:5の場合- 総資産額が1,000万円
- 暴落が発生し、インデックスファンドの価格が50%下がった場合
暴落 インデックスファンド 現金 総資産額 前 500万円 500万円 1,000万円 後 250万円(-250万円) 500万円 750万円(-250万円) インデックスファンドと現金の比率 5:5 例①では総資産額が-450万円となり、例②では総資産額が-250万円となりました。
このように現金を多くもつことで下落時のリスクが減り、総資産の値動きをマイルドにすることができます。
一方でインデックスファンドによる利益(リターン)は小さくなってしまいます。
リスクとリターンは相関関係にあることから、大きなリターンを得たい場合は、それだけ下落のリスクに耐える必要があるといえるでしょう。
ちなみにS&P500指数は、これまで最大56.8%下落したことがあります。
ですので、S&P500指数に連動するように運用しているeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)も、最大で同程度の下落を見込んでおいたほうがよいでしょう。
- 投資期間
-
投資期間が長ければリスクをとっても回復する時間があるので、インデックスファンドの割合を増やしてもよいとされています。
一方、短期間で資金が必要な場合は、安定した債券や現金の割合を増やすのが一般的です。
おすすめしたeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、どちらも長期的に右肩上がりで上昇が期待できます。
- 投資目標
-
具体的な資金目標(住宅購入、教育費、老後資金など)によって、どの程度のリスクを取るべきかが変わります。
ここではFIREを目指すことが目標です。
よって、1年の支出額の25倍の資産を目指します。
例えば年間の支出が240万円(月20万円)なら6,000万円がゴールです。
おすすめの資産比率
私のおすすめはインデックスファンドと現金のみを保有し、その比率を9:1とすること。
かなり高いリスクを負った資産比率になりますが、その分リターンが期待できます。
ただし、生活防衛資金が確保していない人は、もう少し比率を下げた方がよいですね。
その場合は、インデックスファンドと現金を同じ比率でもつことをおすすめします。
公務員という職業の安定性を考えると、これぐらい攻めた資産比率にしても問題ないと思います。
なにせ、リストラや減給などは滅多にありません。
とはいえ、結局は個人のリスク許容度次第です。
「値動きが不安で眠れない…」、「子供が中高生でこれからお金がいる」など、どれだけの現金を確保しておく必要があるかを先に考え、残りをインデックスファンドで運用するといったやり方も一案かと思います。
【まとめ】継続すれば公務員でもFIRE達成できる
公務員でもFIREは、達成できます。
ですが、その道のりは長く険しいことも分かったのではないでしょうか。
大切なのは、「あなたはなぜFIREしたいのか?」です。
その原動力をもって、支出を最適化し生活防衛資金を確保しながら、決めた資産比率を守って資産運用を続けていれば、いずれFIREを達成できるでしょう。
FIRE達成はゴールであり、スタート地点です。
「FIRE後にどういう人生を歩みたいか」もFIREを目指しながら、ぜひ考えてみてくださいね。