今回は、年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」の書評です。
著者は、山口貴大(ライオン兄さん)さん。
この本を読めば「年収300万円でもFIREを達成できる方法」が分かります。
「年収300万円でFIREなんて無理……」
「なんか怪しいことしてるんじゃ……」
そう思う人もいると思いますが、この本は多くのデータを使って理論的にFIREできることを示してくれます。
しかも、1ページあたりの字数が少なく読みやすいです。
山口貴大(ライオン兄さん)さんは、youtubeやtiktokで配信されているので、本書が気になる方は、まずはそちらをチェックしてみるのもアリですね。
- youtube:「ライオン兄さんの米国株FIREが最強」
- tiktok:「takalion23【お金の学校】ライオン兄さん」
著者について
1980年奈良県生まれ。
金融・起業のマネースクール『Financial Free College』代表。SNSでは「ライオン兄さん」名義で活動。
ネット関連会社などにて、8年間のサラリーマン勤務をするが独立。金融・起業の書籍をむさぼり読みつつ、
サービス業関連会社を興し、2018年に売却、その売却益を米国株を中心に運用し、経済的自由を獲得した。
同スクールは、「投資家が推奨するお金のスクール」、「未経験から学べるお金のスクール」、
「結果が見込めるお金のスクール」の3冠を取得(日本マーケティングリサーチ機構調べ)。
スクールの受講者からは、年収にかかわらず多くのFIRE成功者を輩出。
要点
私なりの本書の要点です。
本書のタイトルにもあるとおり、「年収300万円の人がどうやってFIREを達成するか」に主軸をおいているイメージでした。
- 貯蓄率とは、収入のうち貯蓄(投資)にまわしている割合をいう。
- 収入が高くても貯蓄率が低ければ、FIREすることはできない。
- 米国経済は世界最強で、それは歴史で証明されている。
- 米国が強い理由は、「米ドルが世界の基軸通貨」、「先進国で唯一の人口増加国」、「GAFAをはじめ、成長性の高い企業が多い」、「S&P500の平均リターンは15年以上でマイナスにならない」など。
- 手取り20万円の人が月10万円投資にまわし、年5%で運用できれば16年でFIREできる。
- 最初の2年だけ月20万円投資し、3年目以降月10万円投資を続ければ、7年目にサイドFIREできる。
- サイドFIRE後は、資産運用から月5万、副業などの労働収入から月10万。
- サイドFIRE後も、資産は少しずつ増えていく。
この本がオススメな人
- FIREの方法を知りたい人
- 投資について詳しくない人
- 年収が低いことで、FIREをあきらめていた人
この本の注意点
注意するポイントは、年収300万円で貯金ゼロから7年でセミリタイヤするのに、最初の2年間は副業で月10万円稼ぐ必要があることです。
つまり、最初の2年は副業をして年収450万円相当の稼ぎがある計算になります。
また、タイトルのとおり、7年でセミリタイア(サイドFIRE)です。
早期退職した後も、月10万円の収入がある想定になります。
このあたりは読む前に、知っておくといいかもしれません。
なにがなんでも7年でFIREというよりかは、「うまくいけば7年くらいでサイドFIREの目途がつく」くらいの気持ちで読むのがオススメです。
気になったところを考察
本書で気になった部分を掘り下げていきます。
最初の2年間は副業で月10万円稼ぐこと
副業で最初の2年間から月10万稼ぐこと。
これが「なかなかハードル高いな……」と感じました。
副業には、「ストック型」と「フロー型」の2種類があり、本書ではストック型のインターネットビジネスがオススメされています。
具体的には、ブログやyoutube、SNSによる情報発信ですね。
役に立つ情報を発信し、広告収入やアフェリエイトで収入を得ます。
ストック型の副業は、最初の収益に時間がかかる特徴があるので、はじめてすぐに収益化できる人は、少ないのではないでしょうか。
再現性という意味では
- 最初の2年間は、時間を切り売りする「フロー型」で月10万円
- 3年目からブログやyoutube、SNSをはじめる
- サイドFIREする頃(7年目)に月10万をめざす。
の方が現実的かなと、私は感じました。
- ストック型とは?
-
一度作成したものが時間の経過とともに価値を蓄積し、将来的に収入を生み出し続けるタイプの副業です。
最初に大きな時間や労力を投資する必要がありますが、その後は自動的に収益を得ることができることが特徴です。
代表的なストック型副業の例
- ブログやYouTube
- 電子書籍やデジタル商品販売
メリット・デメリット
- メリット: 継続的な収入を得やすい、一度の労力で長期にわたり収益を生み出せる。
- デメリット: 収益化するまでに時間がかかる、初期の労力や投資が大きい。
- フロー型とは?
-
時間や労力を投じたその瞬間に報酬が発生するタイプの副業です。
自分の時間を提供することで収入が得られ、働いた分だけ収益が発生しますが、継続して働く必要があることが特徴です。
代表的なストック型副業の例
- ライティングやデザインの仕事
- プログラミングやWeb制作
- Uberや配達員
メリット・デメリット
- メリット: すぐに収入を得やすい、初期の投資が少なく手軽に始められる。
- デメリット: 労働を続けないと収入が途絶える、収入が時間に依存する。
4%ルールは、日本で適用できるのか
本書に限らず、多くのFIRE本では「4%ルール」が使われています。
1998年にアメリカのトリニティ大学の教授たちによって考案された方法で、トリニティスタディとして知られています。
主な特徴:
- 資産の50%をS&P500に連動した株式、残り50%を債券に投資
- 毎年、当初の資産額の4%を取り崩す
- この方法で運用すると、30年間で95%の確率で資産が残る
- 株式と債券の比率、取り崩し率に応じたシュミレーションがされている
簡単にまとめると、このような感じです。
この研究をもとに、FIRE後の資産を取り崩す目安として「4%」が使われるようになりました。
有名な4%ルールですが、注意すべきはアメリカ基準のルールだということ。
日本で4%ルールを適用させるには、為替などを加えて考える必要があります。
本書では
- インデックスファンドの評価額がマイナスのときは取り崩さないこと
- 5年分の生活費に相当する現金をもっておくこと
とあり、さらに副業による収入がある想定です。
そうやって余裕をもたせることで、4%ルールの不安なところを補っているのかなと思いました。
私の評価とまとめ
「どんな人でもFIREできる!」そんな背中を押してくれるような本です。
図解も多く読みやすいので、FIREの入門書として、親しい友人にもおすすめできる本だなと思いました。
貯蓄率をあげて、サイドFIREをめざす。
多くの人にとって、これが最も再現性の高い方法だと思います。